登録手順と暫定リスト

世界遺産の登録手順

  1. 世界遺産条約を締結した各国政府は、世界遺産に登録したい物件の一覧表を作成します。この一覧表は暫定リストと呼ばれ、UNESCO世界遺産センターに提出されます。
  2. 世界遺産条約を締結した各国政府は、暫定リストの中から1年につき各国1物件を、UNESCO世界遺産センターに推薦することができます。
  3. 各国政府の推薦を受けたUNESCO世界遺産センターは、世界遺産の種類に応じて以下の機関に現地調査を依頼します。
    文化遺産:ICOMOS(国際記念物遺跡会議)
    自然遺産:IUCN(国際自然保護連合)
  4. 世界遺産委員会は、ICOMOS、IUCNの調査結果をもとに世界遺産へ登録するかどうかを毎年1回決定します。世界遺産委員会とは、世界遺産条約を締結した国の中から選ばれた21ヶ国から構成される組織です。委員会を選ぶにあたっては、文化的、地域的な偏りが生じないようにされています。ちなみに、世界遺産委員会では、世界遺産の新規登録についてだけではなく、登録条件の変更、危機遺産の登録、削除に関する事項についても決定されます。

日本の暫定リスト

2011年11月現在、日本がUNESCOに提出している暫定リストは以下のとおりです。

1.古都鎌倉の寺院・神社ほか (神奈川県、平成4年)
1192年に源頼朝は、武家によってはじめて政権をにぎった。
このときに建設された都市が鎌倉である。
鎌倉には、武家文化が残る史跡が残っている。

2.彦根城 (滋賀県、平成4年)
16世紀中頃に建設された保存状態の良い城である。
当時の城下町のなごりが残る。

3.富岡製糸場と絹産業遺産群 (群馬県、平成19年)
近代化をめざした明治政府は、西洋技術を導入して、絹産業の工場を建設した。
結果として、日本は明治42年に世界一の生糸輸出国となった。
本遺跡は、日本の近代化と産業革命の極東への伝播を象徴する点から、貴重である。

4.富士山 (静岡県・山梨県、平成19年)
特筆すべき山容の美しさを誇る。
古くより信仰、芸術、文学となっている。

5.飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群 (奈良県、平成19年)
592年から、平城京へ遷都するまでの710年までの天皇・皇族の宮殿の遺跡などが発見されている。

6.長崎の教会群とキリスト教関連遺産 (長崎県、平成19年)
日本におけるキリスト教布教の歩みを示している。
国内外の建築様式の融合がみられる。
自然景観と歴史的建築物がつくる景観が美しい。

7.国立西洋美術館本館 (東京都、平成19年)
20世紀を代表する世界的建築家のル・コルビュジエの代表作品のひとつである。

8.北海道・北東北の縄文遺跡群(北海道、青森、岩手、秋田各県、平成20年)

9.九州・山口の近代化産業遺産群(福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、山口県、平成20年)

10.宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県、平成20年)

11.百舌鳥・古市古墳群

12.佐渡鉱山の遺産群(新潟県、平成23年)


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