世界遺産とは

世界遺産とは

世界遺産とは、UNESCOが認定した次世代に残すべき世界中の貴重な文化遺産や自然遺産を指します。UNESCOは、国際連合の専門機関のひとつです。世界遺産の認定は、1972年のUNESCO総会で採択された国際条約「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(以下、世界遺産条約)に基づいて、毎年行われています。世界遺産条約の締約国数は180ヶ国以上であり、世界遺産の選定と保護活動は全世界的な規模でなされています。

世界遺産の種類

世界遺産には、文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類があります。

  1. 文化遺産は、「顕著な普遍的価値を有する記念物、建造物群、遺跡、文化的景観など」と定義されています。
  2. 自然遺産は、「顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、景観、絶滅のおそれのある動植物の生息・生息地などを含む地域 」と定義されています。
  3. 複合遺産は、「文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えている遺産」と定義されています。
2012年11月の時点で、文化遺産は745件自然遺産は188件複合遺産は29件登録されています。

世界遺産の登録基準

世界遺産に登録されるためには、「世界遺産条約履行のための作業指針」で示されている下記の登録基準のいずれか1つ以上に合致する必要があります。(i)~(vi)は文化遺産関連の登録基準です。(vii)~(x)は自然遺産関連の登録基準です。

(i)人類の創造的才能を表す傑作である。
(ii)ある期間、あるいは世界のある文化圏において、建築物、技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展における人類の価値の重要な交流を示していること。
(iii)現存する、あるいはすでに消滅した文化的伝統や文明に関する独特な、あるいは稀な証拠を示していること。
(iv)人類の歴史の重要な段階を物語る建築様式、あるいは建築的または技術的な集合体または景観に関する優れた見本であること。
(v)ある文化を特徴づけるような人類の伝統的集落や土地・海洋利用、あるいは人類と環境の相互作用を示す優れた例であること。特に抗しきれない歴史の流れによってその存続が危うくなっている場合。
(vi)顕著で普遍的な価値をもつ出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または明白な関連があること。
(vii)類例を見ない自然美および美的要素をもつ優れた自然現象、あるいは地域を含むこと。
(viii)生命進化の記録、地形形成において進行しつつある重要な地学的過程、あるいは重要な地質学的、自然地理学的特徴を含む、地球の歴史の主要な段階を代表とする顕著な例であること。
(ix)陸上、淡水域、沿岸および海洋の生態系、動植物群集の進化や発展において、進行しつつある重要な生態学的・生物学的過程を代表する顕著な例であること。
(x)学術上、あるいは保全上の観点から見て、顕著で普遍的な価値をもつ、絶滅のおそれがある種を含む、生物の多様性の野生状態における保全にとって、もっとも重要な自然の生育地を含むこと。

世界遺産登録の経済効果

世界遺産に登録された宣伝効果は極めて高く、世界的な名所になる可能性があります。1996年に世界自然遺産に登録されたハロン湾の場合、1996年の観光客数23万人から2005年には150万人に増加しました。


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